今日は、私がどんな経緯でライターを志したのかを書きたいと思います。
子どもの頃から映画が大好きだった私は、映画を観て感動した気持ちを何にも還元できていない自分にもどかしさを感じていました。いつしか自分も何かを伝えられる側になりたいと思い、お芝居を学ぶために田舎から上京します——。
言葉の美しさを教えてくれたシェイクスピア
俳優養成所を経て、主にシェイクスピアを上演している劇団の研究生になりました。残念ながらセクハラに耐えられず(話すと長いので割愛……)団員昇格を目の前に辞めてしまいましたが、私に言葉の美しさを教えてくれたのは、間違いなくシェイクスピアの作品です。お芝居をすることよりも、戯曲に綴られた言葉そのものに興味を持ちました。
一言一句と向き合ったトレーナー時代
お芝居の道に区切りをつけて、エクササイズトレーナーの職に就きます。お客さまに対し、どの言葉をチョイスすればわかりやすいのか、どんな風に伝えれば理解してもらえるのかを考えるなかで、「言葉を紡ぐ仕事もいいな」という思いが、ぼんやりと頭の中に浮かんでいました。
思いがけない占い師の一言
そして、友人の付き添いである占い師を訪ねた時のこと。私もついでに手相を見てもらったところ、開口一番「あなたは文章を書いた方がいい!」と言われたのです。その瞬間、ぼんやりとしていた思いが明確な目標に変わりました。
思い返してみると、小学校の頃から評価してもらえたものは作文で、何より言葉(日本語)に興味を持っている自分がいる……。占い師の一言に後押しされ、ライターを志しました。
それからは、トレーナーの仕事を続けながら日本脚本家連盟が主催するライタースクール(現在フリーライター講座は残念ながら閉講)に通い、ひたすら書いては添削してもらう日々を過ごします。本科・上級科と合わせて3年ほどお世話になりました。
遠回りした感じはありますが、表現ツールとして最もダイレクトである言葉の仕事にたどり着いたことは、私にとって大きな財産です。